うっかりミス?でドメインの更新を忘れてしまったのか
リクルート&電通系会社のあるブログパーツサービスが
サービスのドメインを失効させてしまい利用者に多大な
迷惑を掛けているという何ともお粗末な話。
*2008/12/9 Update
買い戻し?対応が完了したためか
「.com」も元の運営会社管理下に戻っています。
一部補足で本文を書き足しました。
まず、顛末をGoogleで検索して見ると・・・。
この辺(tx別館(本とネットの話限定))がカナリ詳しいです。
thatsping.comとは?
現在は「thatsping.jp」(笑)なんですが・・・。
ブログパーツを提供して、ブログ運営者に検索キーワードを提供するというサービス。要はサイトの内容からキーワードを抽出し、そのキーワードで他のサイトとリンクしあうことでSEO的にハッピーになろうという事。表向きはサイトアクセスのキーワードや解析ができるというサービス・・・。
*ちなみに運営会社としてはブログパーツを沢山使ってもらう
ことで解析対象のサイトを増やしてキーワードデータを外部に
販売したりコンサルしたり出来るというメリットあり。
スパムSEOとは違い「一応」似ている記事を自動リンクさせる
ことでサイトの閲覧者にとってもメリットを出しながらランクを
上げようとしているのがミソ。
やっちまったなー。(クールポコ風に)
で、今話題になっているのが、なんとこの運営サイトドメイン
「thatsping.com」が失効してしまった事により海外の
業者のページに合法的に切り替わってしまったと言うこと。
当然ハッカーによる乗っ取りではない。
>【お詫び】
>ザッピングのブログパーツのドメイン変更につきまして
>本問題は、ブログウォッチャー社の内外の要因によって、
>旧ドメインが失効してしまい、
>第3者が取得したことに主な原因がございます。
【やっちまった・・運営会社】
現在は「thatsping.jp」としてサービスを展開中でドメインが
変わるだけなら「まあ、ドジね」で済んだかも知れません。。
が、なんと、基幹サービスとして配信されていたブログ
パーツのスクリプトが転送処理を始めたものだから大騒ぎ!
ブログパーツを貼っていた利用者のサイトが突然有無を言わ
さず11月下旬から全て英語のわけわからん会社のサイトへ
転送されてしまう状態に。
問題のブログパーツが簡単に外せない
しかも、ブログのメンテをWebから行うサイトの一部は
プレビュー時にスクリプトが起動して転送されてしまうので、
問題のブログパーツがサイトから外せない悲しい状況になる
ケースが発生。。。
・ザッピング・thatsping ちょっとヤバくないですか?
→一応、対応策の例
ブログに最近沢山のパーツを貼る方も多いと思いますが、一般的にSEO業者の提供パーツによってSEO向上の片棒を担がされていたり変な広告が入ったりとそれなりにリスクは感じていたはず。ただ、自分のブログサイトが乗っ取られたと感じる事態を招くとはさすがに想像できないでしょう。
運営会社が致命的に失った信用
やはり、商業サービスを展開する以上、運営者側はトラブル時の連絡手段を用意する必要はありますね。
利用時に個人情報が不要と言うのが今回のサービスのウリでも有ったのですが、結果的に連絡手段が自社サイト(しかも.com側は乗っ取られたので新しい.jpサイトの方)しかないというお粗末。
せめて事態が判った時点で主要なITニュースサイトにリリースや広告を打つなど対応を行うべきでした。結果的に商売でブログを使用する人に損害が出てしまったわけで・・・まあ、商売のサイトに変なパーツを付ける方が悪いという説もありますが。
そもそも、ドメインを失効させて他社へ移管されてしまうという事態が一番問題で、ネット企業として考えられないその辺の認識の甘さが今回の騒動の根元で有ることは言うまでもありません。
このような事態を招かないために猶予期間まで用意してあるのに、それすら忘れていたのだろうか??
→参考: 削除済ドメイン名のための「請戻猶予期間」
本件における教訓
<運営側>
・ドメインは自動更新で契約しよう
・サービス利用者への連絡先は抑えておこう
・トラブル時の告知(対応)手段を準備しておこう
・原因をきちんと報告して対応を公表しよう
<利用者側>
・無料サービスのリスクは考えておこう!
・信用できる会社を選ぼう!(ムリか・・笑)
どれも、当たり前だが忘れがち?な事でしょうか??
・・でも、さすがにドメイン更新忘れはないか。
CGMをウリにする割には、問題発生後の対応がお粗末で
自らが宣伝している口コミの効果も理解できていない悲しい
"ブーメラン"企業。今週の講演などでどんな話ができるのか。。
【講演のご案内】
SaaS World/Tokyo2008にて
CGM活用法についての講演を行います。
> ブログなどのCGM(Consumer Generated
> Media)の普及により、顧客の意見・クチコミは
> インターネット上において急激に増加し、購買
> 行動に大きな影響を与え始めています。
> 近年、CGMの情報を活用した商品戦略やプロモ
> ーション活動に取り組む企業が登場してきました。
> 本講演では、リスクを回避しながら、CGM上の顧客
> の声を活用したマーケティング手法の最新事例と、
> 当社の自然言語解析技術によるオンラインソリュー
> ションをご紹介します。
とにかく素直なキモチでがんばれ。
"顧客の意見・口コミは大きな影響を与え始めている"・・・と自覚しているならば、本件は当事者であったケースとしてカナリ勉強になったはず。
何が問題だったかをきちんと時系列でロール毎にまとめれば、上記講演のような、「良いこと」ずくめの内容よりも遙かに興味を引くし、業界にも役立つと思います。転んでもタダで起きるな。
・・でも、今回はひどすぎるので銀座・新橋らへんの社長さんも管理責任は避けられないでしょう。本件で取引先や主要銀行、株主などが経営陣に対して何も言えないようじゃ、今後も「彼ら」はネット業界に舐められ続けますよー。
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