元社会人大学生のIT生活

再生案件多すぎ・・「ウィルコムが企業再生支援機構に要請」報道

寒いです・・東京も氷点下にまでなるほど。
暖冬って終わったんでしょうか？？

さて、通信業界も冬の時代を迎えつつあるようで、ついにあのウィルコムが経営破綻に近い状況に追い込まれているようです。

「ウィルコムが企業再生支援機構に要請」報道、各社がコメント

ＪＡＬ問題で今話題の企業再生支援機構の活用による再生を目指すという報道がされているようですが、正直これは本当に大丈夫なのかと心配になります。

再生支援機構のマンパワーって・・

　もともと、中小企業の再生を担うべく設立されていて大手企業（上場済み）を対象に活動を行う予定なんて無かったはずです。人員も人材も足りない中で、ＪＡＬなんて超巨大企業を相手にせざる終えなくなりさらにＰＨＳ大手まで対象にすると回らないでしょう。

　つまり、単なるお墨付きと資金的な援助（税金の投入による保護）を目的とした動きならばこれはモラルハザードの何者でもありません。私的整理にした場合の調整やしがらみを断ち切るためには法的整理という発想は悪く無いのですが、ここぞとばかりに少しでもお金を集める先を税金にしたいという考えはどうかと思うのです。

ＪＡＬ再生も正直難しいのでは？

　明日、法的整理に向けた申請が行われるＪＡＬですが、さっさと不採算路線を停止するわけでもなく「飛行機を飛ばしながら」再生するスキームにこだわった結果しばらく赤字を垂れ流します。これも税金による保証を前提としているわけですが、この後の具体的なアクションプランがありません。

　特に、路線の廃止とかリストラとか目先の計画は項目だけならんでいますが、Ｅｘｉｔ（再生後）の将来像は語られぬままです。再上場を目指すのか？はたまた国内専門になるのか、それとも格安航空会社を設立して「ＪＡＬの高品質（的なブランド価値）」と「格安航空会社の低価格」を両立した航空会社を目指すのか・・大穴で新規事業として宇宙事業を目指しているベンチャーをスポンサーにギャラクシーエアラインとしてブランドを使った再生を果たすのか・・。

　出口の見えない再生では取引先も延命としか受け取らないので積極的な支援もなく取引もシュリンクしたいと思うのがホンネでしょう。

戦後の新興企業が陥るジレンマ

　何れにしても企業の２代（100年程度）成長と世代循環を前提に設計されている年金や給与体系を維持できない戦後の新興企業は今後も同じような課題の中で急激なリストラや構造改革は避けられないでしょう。国の年金制度もそうですが、日本の人口が減少し市場がシュリンクに向かうという現実に直視していないまま、行けるとこまで言ってみようという泥船状態になっているのが現状です。

　1990年代のバブル期からまもなく20年です。日本の繁栄を知る世代はすでに現場から退き、40代となって管理職になっていますが彼らが過去の誤った経験で現状を正しく判断出来ていない事も混乱が続く原因なのカモ知れません。（あ、これは私の知人であるその世代の本人達が言っていることでもあります）

　再生案件の整理は今後も続くと思いますが、この世代間ギャップと現状に対する正しい認識をもって考えないと結果的に大きな損害を長期にわたって受ける事になりかねません。リーマンショックのダメージがボディーブローの様に効いている中、政権も含めて早く出口を見据えた戦略を練る時が来ている気がします。　

気になる記事：Appleタブレット端末、アメブロ個人情報流出と削除人の関係

あけましておめでとうございます。
２０１０年がスタートしたので早速気になった記事にコメントなんぞしてみようかと。

１月にアップルからタブレット型情報端末デビュー

グーグル元幹部、アップル製タブレットの1月発表を明かす--米報道

もう、アップルのバイラル広告的な感じで噂が広がってこれはこれですばらしいパブリシティだと思うのですが、気になるもので。。これだけ、複数のソースから噂が出ると言うことはおそらく本当なんだろうと思います。そして、その機能ですが予想されるのは・・（元記事の予想に便乗して妄想を追加）

１．iPhoneの機能

つまり通信機能があると言うことは日本ではSoftbankからも販売される可能性が高いと・・？そういえば最近iPhoneのたたき売りが進んでいますが、この辺で新商品を前に在庫調整をしているのでしょうか？（キャンペーンも１月３１日までですし）

２．電子ブック機能

雑誌協会の動きや、日経の新サービスの動きを考えるにコンテンツ系の印刷情報の発信を日本も含めて始める可能性はありますね。アプリでもコンテンツでも既存の普及しているマイクロペイメントであるiTuneのインフラを使えば利用して発信できるので、 発信者側にとっても魅力的ですし。amazonに比べて取り分も多そうなので魅力的か。

３．テレビ会議機能（動画）

元記事にあったので一応。iPhoneでは写真機能が中心でしたが大画面を利用したテレビ電話機能による会議システムなどリアルタイムコミュニケーションの部分は強化されるのかも知れません。「テレビ会議」と言うと何だかおおごとですが、カジュアルな動画チャットみたいな機能でしょうか・・？

４．ソフトキーボード

iPhoneにも存在していたソフトキーボードですが、タブレットの大きさになるとさすがに片手で入力というわけにも行かないのでフルサイズのソフトキーボードを実装し、何らかのフォースフィードバック機能で入力した感覚を少し生かすイメージに成るかも知れません（邪推）。普通にＢＴでキーボード付けても良い気がしますがその辺は「潔くない」とサポートしない・・みたい。

５．ＢＴによるゲーム外部周辺機器

これは完全に妄言的に追加。ＢＴキーボードの対応はコレまでのジョブス氏の言動から逆に無いかも知れませんが、ゲームパッドなど大画面化によって犠牲になる操作性をフォローする外部接続機器対応はあるかも知れません。ただ、iPhoneの画面サイズで作られたゲームを大型画面で見るにはハードルがあるので、もしかしたらタブレット用のゲーム規格を準備することになるかも。

以上妄想でした。

初期iPhoneユーザーの視線の先に・・

でも一番気になるのは価格ですね。通信機能付きならソフトバンクからインセンティブの載るでしょうから、意外に安くで変えるかも知れません。初期iPhoneユーザーの乗り換え先の本命となるか？？

アメブロで有名人アカウントのパスワード流出

アメブロ、芸能人のアカウント情報をまとめた社内文書が流出

こういう、人為的な内部犯行型の流出事故は防ぎようがないので性悪説で対処するしかなさそうですね。ただ、不思議なのはなぜ、パスワード情報をハッシュ化せずに平文で社内管理出来ていたのかと言う点です。

おそらく、これはアメブロならではの理由があるのだと思います、それはつまり削除人の存在。

データーベース上では当然ハッシュ化したパスワードでデーターを管理していると思われるので今回の流出した管理ＥｘｃｅｌはＤＢから作成したのではなく、人為的にブログ担当が個人の権限で情報を収集し管理していたデータと考える方が自然です。

この人は有名人ブログの削除人兼担当者か何かで担当するブログのアカウント名とパスワードを記録して置いたのかなと。 そして、その人が「うっかり」ファイルを公開してしまったと。。。（これは推測なので、単純にハッキングされていたというオチもあるかも知れませんけど）

第三者に自身のメディアの管理情報を委託する怖さを知りましたね。結構同じパスワードを使い回している人が多いと思いますし。

アメブロの今後の自己調査能力は注目です。
（男の子牧場の件も結構適当にやってたので不安ですが）

 

 

最大の敵はコンビニの立ち読み？電子ブックは成長するか？

　年の瀬ではございますが、気づけばもう「メリークリスマス」ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか？

　私にはサンタクロースは来なかったのですが「アップルが来年早々になにやら新製品の発表」という噂のプレゼント？を出してくれたようです。 （あ、アップルがくれたわけではないですね）

ついに電子ブック市場が立ち上がる時

　噂を総合すると、今度の製品もコレまでと同様に何やら新サービスと共にローンチするみたいですが、一番注目されているのがこの電子ブック。日本でも日本雑誌協会が電子雑誌の実証実験のモニター募集を開始して雑誌サイズの電子ブックへの調査（PC版ですが）を開始したように、出版界ではコンテンツ課金の本命である雑誌対応へ準備が進んでいます。

　もともと、電子ブックは白黒で表示されればOKな「本」を対象にアメリカでスタートしていますが、現在は新聞など定期購読型へと進み、 通信機能を搭載した定時送信を実装しています。

　しかし、ユーザーニーズはコンテンツ課金（購読）に近い雑誌の方が高いとされており、現在の白黒で文庫サイズという電子ブック仕様ではこの層を取り込むことが出来ていません。

　雑誌の記事単位といったマイクロペイメント型の課金が整えば「電車の中吊りを無料で配信して読みたい記事を別売りで販売」なんて事も可能になってきますから、ロングテール的な課金層の底上げに期待がかかります。

コンビニ立ち読み・マンガ喫茶という強敵

　本屋の人と話していてよく聞いたのが、近年の本・マンガや雑誌が売れなくなった理由はインターネットだけではなく、コンビニ網の整備とマンガ喫茶の登場も影響があったと言うこと。

　毎週気軽に気になる記事やマンガだけを読めばいい”無料雑誌・マンガ閲覧スペース”を準備し「様々な商品の小売りで儲ける」コンビニ。そして、読みそびれたらすぐにその回をフォローできる「場所を有料で貸している」マンガ喫茶。これらの”コンテンツ無料”ビジネスモデルが、本来ならばそれを本業としている本屋や出版社を苦しめていると。

・・・あ、これってネットで言い換えられて話されてますが本質的にはリアルの世界にも同様の傾向があるという話。

何でもネットが悪なのか？

　「フリー」なんて本が出版されてちょっぴり話題になっているこの「ネットによる配信コストがタダになることによって支えられている無料コンテンツビジネス」ですが 、ネットに限って議論すると本質を見失いがちです。

　コンビニに立ち読み目的で来店し、ついでにお菓子を買って帰る人も多いと思います。コンビニにとっては雑誌は返品すれば良いので、陳列する場所さえ確保できれば集客の手段となる有力な無料コンテンツです。（もちろん、気に入れば雑誌を買ってくれる人もいますし）

　無料で釣って有料の商品を買わせる・・・これはまさにリアルでのコンテンツ無料配信のモデルです。ネットに限ったことではないわけで、繰り返しになりますが電子ブックとネットの関係性だけ追っているとこのようなリアリティのある現場の本質を見失う恐れがあるわけです。

電子ブックで一番損するのは誰だ

　電子ブックが進めばこれらの「ダダ読み」需要をマイクロペイメントで囲い込んで少しでも利益を得られるのでは無いかというのが出版界の願望です。逆に言えば、電子ブックの普及は、音楽業界において大手CDショップが倒産してしまうほどダメージを受けた様に、専門小売りである本屋は今後は厳しい立場に置かれるでしょう。

　そして、問題はコンビニ。大手の雑誌流通網でありながら、「無料立ち読み場」として集客のキラーコンテンツとして利用してきた彼らが、電子ブックのローンチにより大きなダメージを受ける可能性があります。

　＊余談ですが、知り合いのコンビニでは雑誌にカバーを付けたら売り上げ下がったそうです。

”リアル”な無料コンテンツ市場に電子ブックの勝算は？

　逆に言えば、電子ブックが高額でコンテンツ課金も安くない場合、このコンビニが普及における最大の敵として立ちはだかる可能性が高いかもしれません。 結局、電子ブックに関してはネットの世界で戦うのではなく、手軽にフリーで読む事が出来る「本屋」や「コンビニ」「図書館」といった既存のリアル世界との戦いがカギになりそうです。

　今やニュース情報はネットでいち早く手に入りますが、雑誌などは写真（の大きさ）や内容で差別化を図って行けるはず。その表現方法を電子ブックでどこまで再現できるのか・・？

　入手方法として戦いはまだまだ続きますが、使い勝手やバックナンバーの配信、記事単位の購読など電子ブックならではの使い勝手が上手くアピール出来れば、 出版界が夢見る「立ち読み層」への課金が可能になるでしょう。

　このように音楽よりもハードルが高い、出版業界のコンテンツ課金。今話題のネットコンテンツ有料化の議論だけでなく、リアルへの対策こそが、最大のカギになりそうです。

インドに行って経済発展のノリシロを見る

　先日までインドにいっておりまして、せっかくなのでそのことを書こうと思います。

インド人嘘つかなーい（ウソ）

　 子供の頃よく聞いたこのフレーズですが、そもそも「インド人」ってどんな人なんでしょうか？現地のガイドと色々話していたのですが、インドは多民族国家であり、身分も宗教も、文化も違う人が多いの場所なのでこんな話はナンセンスだと。

　つまり国籍としての「インド人」はいても、「インド人とはこんなタイプ」というステレオタイプ的な発想はあまり通用しない様です。同じく今発展めざましい中国との違いはやはり漢民族が多数を占めて民族的にも宗教的にも安定しているとは大違いです。（チベットとか内陸部の少数民族に対する弾圧が強いのもコレ
が原因ですが）

　で、その「インド人」の１タイプとして「嘘付かない」というウソが上手い人がデリーには結構います。リキシャーとかオート三輪などのタクシーサービスを利用したら指定した目的地にたどり着かなかったり、運賃はごまかしたり・・。

　もちろん、それを指摘してもだまされる方が悪いので「あ、そうだねー」みたいに軽く交わされてお終いです。買い物のも計算してからしないとまともにおつりも戻ってきません。（有名ホテルでもですよ・・）

　基本的な姿勢として、だまされて当然でその辺の「おおらかさ？」に対応できるだけの精神的なゆとりが無いと正直言ってやっていけません。中国も「だまされる方が悪い」文化がありますが、インドは所得格差が大きいだけに結構えげつなくきます。

インフラはまだまだ

　デリーはインドの首都で比較的都市化が進んでいますが、旧市街であるオールドデリーと行政府が集まるニューデリーどちらもインフラの整備はまだまだで、街全体がホコリで溢れています。とにかく、空気が悪い。インド人のガイドも空気の悪さには困っているとの事で通勤時はスカーフを口元に巻いて来てました。

　国際空港は現在超巨大なターミナルを建設中で、アクセスのメトロもオールドデリーから連絡予定。 主要道路は車で溢れ、信号も少なく、運転マナーが悪いので常に大渋滞・・・。

　とにかく、今のインドに行けば都市における急成長の問題を全て体験できる状態です。これを成功の可能性の高い街と取るか、単なる住みにくい都市と取るかは人それぞれですが、少なくとも都市化がほぼ完了している日本と比較したとき、色々ビジネスチャンスがあることは確かです。

リアルなハングリー精神

　街を1ブロック歩けば思うところが沢山あります。 文化的には、小便を路地で行う人がまだまだ多く、街にその臭いが漂っているエリアがあったり、運転マナーが悪かったり・・・。住宅を見ればまだまだ冷蔵庫が無かったり、TVはアナログのブラウン管、音楽はラジカセ。

　人々に会って話せば一部の富裕層以外は現状を肯定することなく、より良い生活を目指してハングリー精神で寝る間も惜しんで勉強して働く人たちばかり。発展途上国に行けばどこでも目にする「生活のために」頑張る姿ですが、経済発展の過程で誕生する「富裕層」を目の前にしたらそのスピードが加速すると言われています。

　このインドのパワーは今やグローバル化が進んだ世界では止めることができません。日本でのんびり戦後の経済成長の余韻を楽しんでる場合では無いのですが、イマイチこの海外の”熱”を国内に伝える方法は無いでしょうか・・。

　「新型うつ」なんて病気が広がっているという今、ちょっと心配になる今日この頃です。

大学院の社会人入学で”人生リセット”できるのか？

　このブログのタイトルが「元会社員の大学院生生活」なのに大学院ネタをほとんど書いていないという、まっとうなご指摘を知人から頂いたので、今回は表題にあるお話。

　丁度、元同僚に大学院進学の相談を受けて話をしていたのでそれをベースに。不況やリストラで大学院を目指す方も増えていますし。

理想郷を求めて大学院へ

　専門系の大学院に社会人入学した方の多くは、当然ですがなんらかの目的を持って入ってきます。そして、その多くは「今の生活の何かを変えたい」という向上心ともシンデレラ症候群とも付かない淡い期待。

　学科にもよりますが、これ自体は悪いとは思いません。学生時代はロクに授業にも出ず、楽して卒業してきた文系学科の出身者（←私）もそんな願望を胸に、高い授業料を自腹で払って必至に学んでいたモノです。

　ただ、そんな理想を胸に大学院の門をくぐると、大きな問題に直面しがちです。

「授業」と「研究」のギャップ

　大学院は「研究科」ですので、授業（講義）で学ぶというより研究をする場です。当然、1人1人の主体性によって研究の進行は変わり、教授は「指導」してくれるだけです。

　ところが、「何かを変えてもらいたい」という想いが強い院生の一部には「なにも教えてくれない」という不満など、外部に対する愚痴がこぼれ出します。

　おそらく、この意識のズレは「何かを変えて貰いたい」と「何かを変えたい」という受動と能動の違いでしょう。

言われたことがよく出来た”優秀生”の悩み

　日本の教育は「授業」が中心で、与えられた課題を早く正確にこなせる人材の成績が高く評価されてきました。そのため新卒時に「成績優秀」な人ほど「指示待ち」的な受動願望が強い気がします。これは毎年、私が新卒の社内研修講師をしている時に感じている事で、ここ数年の話ではありません。

　その結果、会社でも上司などの十分な指示が来ないと「会社は自分の能力を生かしきれていない」と周りに不満を漏らし、さまよい続けて転職したり大学院にやってきたりする人が出きます。

　大学院にもそんなこんなで、「様々な理由」を持った人材が集まっており、研究を「主体的にやりたい人」と「受動的にやりたい人」のズレが発生するわけです。そして、良くも悪くもそれぞれに影響を与えます。

学部卒と社会人入学組のズレ

　また、専門系の大学院で必ず話題になるのが、知識・経験レベルのギャップです。

　社会人入学組は当然、社会経験が豊富で「スレている」ため理想と現実をわきまえて行動しがちです。そして、自腹で学費を払いながら（または会社員を一時休止しながら）通っているため、研究への取り組みは熱心・・かと思いきや、学歴コレクターみたいに楽して学位だけ狙おうなんていう人もいて、両極端に分かれます。

　一方、学部卒の入学組は新卒の就活に失敗した大学院進学という名の「リベンジ組」や、会社組織は肌に合わないと自称する「インテリ？」など、これまた研究が目的なのか？？・・という複雑な方もいます。ストレートに言えば「就職対策」だったり「大学院生」というの社会的にカドが立たない世間体（せけんてい）が目的だったり。

学問の内容よりも学生の質にある程度左右される

　結局、大学院での研究は、共に学ぶ学生がどのようなレベルのタイプが多いかによって大きく変わってしまうわけです。学部卒が多い研究科は”学部のノリ”が良くも悪くも続いてしまっており、社会人が多い研究科は柔軟な思考に欠ける・・。

　今仮に、能動的な姿勢で大学院への進学を目指していても、自分の周りに同じ方向を目指して研究を頑張る学生が集まっているなどと過度な期待を日本の大学院にしてはいけません。

　むしろ社会で生き抜いてきた人にとっては、「甘ちゃん」の集まりにしか見えないかも。

「会社生活に行き詰まったから大学院へ」はアリか？

　社会人が大学院へ行き「大学院卒」という肩書きを手に入れても、何かが変わる事は無いでしょう。そして、「大学院で自身が何をしたか？」と言うことも、もしかしたらたして意味が無いのかも知れません。

　むしろ周りを見ていると結局は大学院に入るまでに何を社会でやっていたのかが結構きいている気がします。

 　1から大学院で新たに勉強し始めていては時間が足りません。むしろコレまでの経験と知識をひたすら周りの方へ”持ち出し”しながら、足りないところや新しい部分を補うつもりで丁度良い気がします。

　つまり、これまでの社会人経験や生活を「リセット」しようと思っている人ほど大学院での生活は厳しく、そして高いハードルが待っているのかもしれません。

　この辺は大学院側が学科説明会などで話さないポイントです。学生が「お客さん」である以上、仕方が無いとは言え「あらぬ期待」を「可能性」と置き換えてミスリードしている感すらあります。

社会人院生の就職は転職活動と同じ

　社会人入学で会社を辞めて大学院に入った院生の就職活動は、「転職活動」とアプローチが同じになります。つまり、入社４〜３ヶ月前に就職活動をしなくてはならないので学位論文を執筆する修了直前になってしまいます。

　学部卒で入学した院生が入学後最初の夏休みからインターンなど就活を開始するのとは異なり研究に集中出来る環境であると言えますが、逆に言えば卒業のギリギリのタイミングまで”次”が見えません。

社会人の経歴はリセットできない

　そして、これは私のエージェントからもよく言われてる事ですがどんなにあがいても「ご自身の履歴」はリセットできません。

 　つまり、社会に出て大学院に入るまでの経歴が大学院卒業した時の参考になる資料であり、大学で何を研究したかはあまり気にしていない様なのです。これまさに不都合な真実。

　結局、書類選考がある以上、大学院で研究したことも社会人での職歴もタイムライン上は同等に扱われるわけで、大学院だけの結果を基に、人生一発逆転なんて事はよほどのことが無い限りあり得ないと。（ただし、コネは除く）

　大学の入試レベルが高い大学院に入学する事は「学歴ロンダリング」としての価値は当然あるのですが、中途入社の市場では学歴よりも実力や実績がモノを言うので”履歴書の学歴欄が埋まる”以外にあまり価値はありません。

　むしろ、社会人入試で入った院生の就職活動は、通常の転職活動よりもリスクが伴うわけです。ですから、大学院に入る前に、転職活動も合わせて行い、市場でのご自身の価値を一旦知っておく事をオススメします。

結論：少しずつ方向転換しかない

　表題に答えがあるとすれば「人生は過去を背負っている以上リセットはできない」これに同じ。

　まずは、何か目標や目的を持ってそれに向かって少しずつ方向を変えていく。その第一歩として大学院への入学を考えているならば、メリットはあると思います。

　当然、卒業後も前職やこれまでの経歴の影響を受けます。ただ、それでも少しずつ方向性を変えていけば何れ目的地へたどり着けるはずです。

　なので、ゆるやかな方向転換の一部として大学院への進学を検討するぐらいが丁度いいと思います。特に、不況の今は就職活動が難航すること必至です。

　2年先の景気回復に賭けるというのもアリですが、社会人入学をご検討されている方は今の自分の立ち位置を見つめながら進学を検討されると良いと思います。

　以上、思う事を書いてみました。

アリコ情報流出→「システム開発では機密情報ダダ漏れ」という不都合な真実

 　アリコの情報流出事件ですが、その経路はなんと中国にある委託先の社員の可能性が極めて高いとのこと。オフショア開発はコスト削減の切り札でずいぶん前からバズワードと化して盛り上がっていましたが実態はどうだったのか・・・。今回はそんな話。

なんで、オフショアが必要になってきたのか・・まずはそこから。
＊基本的に大企業を前提とした話です

そもそもオフショア利用で人件費は安くなるのか？

　これはもう、長年の課題というか議論のポイントですよね。例えば、ベトナムのとある会社ではHPに「1人月15万円」と明朗？会計で費用を公開していますが、これはあくまでもベース費用。場合によってはブリッジSEといわれる日本語と現地語がわかりシステムと業務の仕組みや用語を理解できる「翻訳者」を雇わなくてはなりません。

　また、SEは時間単価だけでなくスキル単価もあって、プログラミング言語だけでなくオラクルAPPSとかSAPなどアプリの開発経験によっても相場が変わってきます。「知ってる」と「出来る」は大違い。経験が最後に結構モノを言う場合が多いこの業界ではSEの経歴が判るかも大きなポイントです。

開発の量だけでコストは決まらない

　そもそもシステム開発のポイントは開発が始まる前にどれくらい仕様が詰まっているかです。業務改善を目的とした開発なら、そのシステムの仕様定義だけでなく、ユーザーの業務定義や作業フロー、トレーニングなど様々な派生タスクもあります。

　つまり、それら全体の中で開発のしめる割合がどの程度あるのかが問題で、総工数から積み上げると開発は実は最後の仕上げ程度の工数だったという事も多いです。（巨大企業のシステム開発とか特にそうですね）

結局、オフショアの為の準備費用次第

　と、言うわけで開発に入る前の作業量がどれくらい合ったかと、その内容をオフショアに伝えるために必要な開発準備のコスト（仕様書の翻訳工数とか会議とか）によってシステム開発ではカナリ費用が変わってきます。

　ついでに言えばテスト時のバグ対応もそうですね。国内ベンダーですとタイムリーに潰していくことが可能ですがオフショアですとある程度の時間的なロスとユーザーとのコミュニケーションブリッジが必要となります。

英語でやれ？部長、無茶振りです！

　こんな事書くと、仕様書を最初から英語で書けばいいじゃん。とか、会議を英語でやればOKとか言う人いますよね。タダでさえ有能な人材が限られるのにそれで英語も出来ますなんて言う人すごく少ないんです。。。もちろん、そこそこはできますが、オフショア先のネイティブとやりあうだけの人材はそうはいません。

　というか、日本人同士でも業務側とシステム側で日本語のコミュニケーションが上手く行かないことが多いのにいわんや海外をや。結局日本国内向けのシステムを開発する場合は何でもオフショアと言うわけには行かないのが現状です。

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　で、前提はこの辺にして、そろそろ話の本題へ・・（長くてスミマセン）。

オフショアに頼る理由→まとまった数のSE不足

　そんなこんなで、現場感覚では出来ればあまり採用したくないオフショア開発ですが、頼るざらう終えない事情があるケースも。それはプロジェクトという雇用体系と突貫スケジュールを必要とするシステム開発の「宿命」が重なったときです。

　期間が限られるシステム開発系の業務刷新プロジェクトは往々にして上流工程の業務定義がずれ込んで、開発期間中はデスマーチとなってしまいます。

　結果、短期間に大量の開発者を投入して対応する事になるのですが、大手企業のシステムの様にハンパ無く開発者を動員する必要が在る場合、日本国内のSEベンダーだけではチームとしてまとまったSEを確保することが出来ないのです。

雇用の調整弁となるオフショアベンダー

　この不況期にうそーん、と思われる方も多いと思いますがコレは事実。最近は業務アプリ系の開発で欧米系のパッケージソフトを利用する場合が多いですが、この場合最新の技術情報も英語でリリースされていますし、ソフトハウスとのバグ対応の交渉もしなくては行けません。

　ところが最新情報に関して、常に対応できるSEを数多く抱えて必要な時にドバっと人を集めて開発してくれるベンダーなど国内にはほとんど存在しません。（大手ベンダーもゼネコン体質で必要に応じ、小会社や孫に出してるだけですし）

　結局、工場のハケンや請負と同じで、SEを「労働者」として抱え込む事が出来ない企業が増えた結果、オフショア開発を利用せざる終えない状況になってしまっているというのが実態。

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　で、で、その結果、起きている事・・・。 

顧客情報だけではない、情報漏洩との戦い

　業務システムは企業に取って基幹であり、顧客データだでなく売り上げ、製品のローンチスケジュールなども含まれる事がある秘密の固まりです。しかし、実態としてその設計とテストの段階で「守秘義務契約」のもとで多くの実データがやりとりされます。末端のSEの手元に、簡単に（意図せずとも）企業の情報が流れてしまう事があるわけです。

　特に、海外ベンダーのSEの離職率の高さは感覚的だけでなく実際もそうだと思いますが、困るのが意図して紛れ込んでくる「スパイ的」な人材がいることです。つまり、目的を持ってとあるプロジェクトに参画することを狙って紛れ込んでいる人がいて、それが叶わないとすぐ辞めてしまうと言う人。または目的を達成して辞める人。

　すべての離職者がスパイだったなんて事は言いませんが、採用面接で前職のデータを「ノウハウ」と称して持ってきたなんて事を聞いてしまったのでコレには触れざる終えません。（まあ、この手の話はSE業界だけではないですけど）

ついでに持って行かれてしまう機密情報

　特に流通改革のプロジェクトなど、工場にプロジェクトメンバーがアクセスできるなら要注意です。私も過去に何例か不審な動きを察知しました。USBの制限だけでなく、メールに関しても受け入れ側の企業がのテンポラリーメールアカウントの発行するなどある程度、証拠やデータの履歴がトレース出来るように対策を打っておかないと、ごっそりデーターが抜かれていきます。（もちろん本人達はテストデータ、スクリプトの作成の為の資料と言います）

　もはや、機密情報は社内だけで扱おうにも、システムが入ると自分たちでは出来ない。。。こういったソーシャルバックドア的な状況がどの会社にも生まれていて、企業の情報漏洩対策はシステム開発というザルを押さえないと意味がありません。

システム部門が流出源という不都合な真実

　以上の経緯で、現在はシステム開発の内製は難しくなった結果、他社の人間に特別なアクセス権を付与して社内のデータへアクセスを許してしまう状況が生まれています。これは最も古典的ではありますがセキュリティ上の大きな穴です。一方で、システム開発の現場では「セキュリティー対策」の項目がチェックリストに必ずありますが、それは開発しているベンダー自身やメンバーではなく対外的な相手がほとんどです。

　今後は開発時の「セキュリティー対策」において開発側のセキュリティーの重要度を上げないと、アリコの様な事件は起き続けます。このままでは、システム部門が関与した形で顧客情報よりももっと重要な情報・・世間に公表されることのない機密情報などの漏洩が続くことになりそうです。

　・・・下書きはもっと沢山書いたのですが「危機感」ぐらいで済むように半分ぐらい話を削りましたｗ。

【情報トレーサビリティも必要？】口コミサイトを巡るサンプルマーケティング

　最近大手の口コミサイトや通販の感想欄を利用したマーケティングが注目されていますね、という話。

ブログマーケティングはもう古い・・。

　ブログを使った口コミマーケティングについては、ずいぶん前から知られています。が、最近は節操のない評価ブログの登場や実物の商品を見ていないのに「評論」されてそれが一人歩きしてしまうという事例もあり、イマイチ心配。

　また、せっかくなのでと影響力のあるブロガーを確保しようにも、強制力のある依頼も難しい・・。結果、スパムブログもアルファブログもある一定期間に似たような記事が並んでしまってよく分からないという状態に。。

公式サイトが検索でTOPヒットしないという罠

　しかも、ブログ依頼で特定キーワードを指定して書き込みを依頼すると、Googleで似たような記事や感想が並んでしまい本家の製品の公式情報ページのランクが下がって見てもらえないという悲しい状況に。

　そこで、今注目されているのが、原点に戻って商品を提供して感想を口コミサイトへの書き込むという手法。通称”サンプル工作員”。価格.comとかamazonとか「口コミ」が影響力を持っているサイトが増えてきましたが、ここに来てこれを活用したマーケティングを行う企業が増えいています。

サンプルの感想は広告なのか？

　今の主なパターンとしては、以下の通り。

【１】サンプリング

　路上やネットで商品をサンプルで無料配布、合わせてレビューサイトを告知して誘導するパターン。（オーソドックスですが一応）

【２】PRイベント

　ブロガーなどを招待してイベントを開催して商品を使ったり食べて貰ったりして感想をUpしてもらう。（一時ハヤリましたが・・）

【３】レビュー販売（ただしレビューで無料）

　読者に価格.comやamazonなどレビューサイトに口コミを入れてもらう前提で製品（本など）をプレゼント。口コミを確認したらお代は不要、または返却。（最近増えてきたパターン）

レビューサイトは業界人のたまり場

　どれも、パブリシティなのであくまでも「本人の感想です」ということで報道などを通じて浸透させることも出来るため使い勝手の良いコメントを集める手段として有効です。

　最近注目のレビュー販売については、出版社が積極的にやっているのでもはや業界では有名ですが、気づいていない方も多いでしょうね。。。書店の店員さんも含めてアマゾンのレビューはもはや業界人ばかりという噂も。

　ちなみに、ほめるコメントだけでなく、けなすコメントも競合他社によるネガティブキャンペーンによって書かれているケースもあって、もはや何を信じて良いのやら・・です。

結局、○○を○○と見抜けないとダメなのか？

　このような「口コミ」情報の全てが嘘や自作自演ではないでしょう。ただ、ネットというメディアを利用して流れている情報の多くがこのような「広告主」に都合の良い情報で溢れる自体になると、ネットという媒体価値そのものが落ちて行くという状況になりかねません。

　価格.comの情報も、最初のコアな利用者の情報が集積していた頃と比べてずいぶん”普通”の人たちの情報で溢れてきた様に思えます。そこに一般人や企業の「工作員」情報が入り込んで、企業のサポートデスクやマーケティング部の別働隊の活動エリアとなっては生の情報が知りたい人達は離れてしまいます。

口コミ情報トレーサビリティの導入も必要では・・

　価格.comやアマゾンなど口コミがウリになりつつあるサイトはIPアドレスを公開するなど、その「匿名」口コミがどの様な性質を持っているかを明らかにする「情報トレーサビリティ」を導入してはどうでしょう。そうでもしないと、口コミ情報の信頼性を得る手段が限られてしまいます。少なくとも時間帯とIPを見れば企業による自作自演かどうかは判りますし。

　食の安全と同様に「口コミ」情報の安全を証明する必要がある時代が来るのもそう遠くは無いのかも知れませんね。

「PSP go」誰に望まれて生まれてきたのか？

　まもなく登場する PSP Go。今年のSonyの株主総会で実機を触って、展示員と色々話してとても期待できる商品だと確信していました。画面も（PSPの現行モデルと比較して）綺麗だし、軽いのでとてもオススメです。

・・が、

　とても残念なお知らせとして、既存のPSPユーザーが所有しているUMDのデータを移行する手段が用意されない事になってしまいました。その昔は、当然の様に用意するみたいな話だったので期待していたのですが、権利的な問題でNGになったとのこと。

レンタルゲーム対策？ゲームメーカ配慮？

　おそらく、他人のゲームを借りて移行することが可能になってしまうため、PSP Goを買わないユーザーが”レンタル”をしてしまう事を恐れているのでしょう。その昔CDがそうだったように・・・。

　この辺のちぐはぐな対応は仕方がないとして、もう一点残念なのがネットワーク対応を謳っているにもかかわらず、タイトルの販売がゲームメーカーに限られる点。

 　iPhoneのエコシステム構築モデルは崩壊しつつあるようですが、ユーザー側に取ってみればハードの魅力を高める要因となっており、ハードベンダー側の取り組みとしては悪く無いと思われます。自身のプラットフォーム開放も新しいマーケットを創出しながらハードを成長させる戦略として残された選択肢に入れて欲しいところです。

CDショップの二の舞になるか？ゲーム販売店　

「PSP go」の疑問　UMDは、販売店は、ソフト開発はどうなる

　ゲームのビジネスモデルは本来ハードは赤字でもソフトで儲けるというものでした。例えば、逆ざやでもPS3は販売を続け、高額なゲームソフトを提供し続けてコストを回収していることは有名です。

　そのような中で、ゲームデータの流通を変えることはリアルスペース拠点であったゲーム販売店を失い、顧客との接点を減らすことになりかねません。手軽に室内でデータをダウンロード購入できることが結果的にゲームとのリアルでの出会いを無くしてしまうわけです。（といっても、ゲーム販売店でゲームを選ぶという消費者行動が最近減ってるので、直近はあんまり影響無いかもしれませんが）

　ただ、音楽業界がダウンロード販売で街のCDショップが激減して新たな顧客の獲得に苦しんでいるように、これからゲーム業界が突き進む現実はネット販売による勝者の限られる戦いへと移行することになるでしょう。

”望まれないPSP”の生きる道

　勝ち残れるのが一部のハードメーカーで、それ以外は総負けという構図になるならば誰も望まない「進化」を目指すPSP Goは「望まれない状態」 になってしまいます。一見消費者も便利なダウンロード機能ですが結果的に業界が縮小して面白いゲームが生まれない状況になっては「不都合な真実」となりかねません。

　ゲーム業界は今、平面ディスプレイゲームの次を目指しています。Wiiもコントローラー側の改良でゲームのスタイルを変えることでブレイクしましたが、そろそろ息切れのようです。

　PSPGoが最後のポータル平面ディスプレイ型ゲーム専用機になるかどうかは判りませんが、ARなど新たな機能を使った“ゲーム専用機ならでは体験”を提供できなければ、ハードで囲い込んでソフトで回収する今のビジネスモデルは厳しいでしょう。

やっぱりオープン化でライトユーザーを取り込め

 　既存のゲーム機としての地位を固めるのであれば、ダウンロード専用機化だけでなくソフトのオープン化まで行かなければ意味がありません。それでソフトハウスが苦しくなるならばそれは、既存のiPhoneなどの携帯ゲームとの戦いに勝てない事を意味しており、いずれハードごと無くなる事を暗示しているだけです。

　ならば、せめてハードを生き残らせて次の展開へつなげた方が賢明でしょう。オープン専用ゲーム機としての地位を固めて行けばiPhoneがユーザー数で音楽プレーヤー業界で天下を取ったように、ゲーム機でも再び天下を取れるかも知れません。無料ゲームでハードに慣れたユーザーは何れ有料ゲームも欲しくなっていくでしょうから。

　ダウンロードゲームの単価が低いから現状のビジネスモデルにギリギリまで固執するのは守りの経営です。iPhoneで既得権益に引っ張られたサイロ型のビジネスモデルで失敗した事実を今ココに思い出すべき。

　有料から無料まで全てのゲームがココに集まる。こんなコンセプトで出直してはどうでしょうか？

ＴＶ「リアル・クローズ」出演者の着た服を即通販→禁断の果実？

　そろそろ、秋の改編期で色々新番組の情報が出てきましたね。さてそんななか注目の番組がドラマ「リアル・クローズ」。もちろん内容でなくてその“新しいマーケティング手法”。

　元々、予算の少ない深夜番組などでは、マネタイズの一環で番組で作った商品やグッズを番組ホームページ経由で販売する事は多く有形無形のタイアップで溢れていました。が、今回はついにＴＶ局の顔とも言える夜10時台のドラマでここまで露骨に始めるのは画期的です。

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主役が着た服、ドラマＨＰで即通販　番組？広告？境界は
（asahi.comより引用）

　俳優が身につけた服やアクセサリーが、放送と同時に番組のホームページで購入できるという仕掛けの連続テレビドラマが、１３日からフジテレビ系で放送され
る。通販会社やファッション業界と手を組んだ、この新手の放送ビジネスには他局も注目している。だが、番組と広告との境界があいまいになりかねないと指摘
する声が上がっている。

（引用ここまで）
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どこまでが広告？

　今のところ、広告は「広告」と明確に表示する事がガイドライン（自主規制？）が一応存在するため、ＴＶでも本編とＣＭは明示的に区別するように制作されています。ニュース番組風なＣＭには「これは○○のＣＭです」と大きく書かれているのもこのため。

　それに対して、情報番組などの紹介は実はグレーゾーンで、番組提供企業の新製品やスポット・店舗を特集として取り上げたり、持ち込みのＰＲ企画を放映したりと結構やりたい放題。度が過ぎて番組の趣旨が変わってしまっているケースもいくつか見られます（どの番組とは言いませんが）。

プライドが自主規制を支えている

　それでも、これまでドラマで通販連動が公に行われてこなかったのは、ドラマ本編を楽しんでもらう事こそがクリエイターとしての誇りであり、物販はドラマへの冒涜であるというプライドが現場にあったからでしょう。（実は私も昔ドラマの制作現場にいたのでこの辺の変？なプライドは理解できます）

　ところが、近年の苦しい経営状況から「変なプライドは捨ててマネタイズを少しは考えろ」（伝聞そのまま）という指示の元で制作現場は経費節減だけでなくマネタイズを目的に企画を考える風潮が生まれつつあるとされています（これも直接伝聞）。

ＴＶ局がつぶれたら元も子もない

 　現場の良心とプライド信じて作られている広告の自主規制については、倒産もあり得ると言われているＴＶ局（とくに準キー局や地方局）では、もはやそんなちっぽけなプライドにすがっている暇がない様です。

　でも、今ココに再度問いたい。どっちが主なのか？？

　ドラマを楽しませたいならやはりドラマで勝負して欲しい。もちろん着た服を販売するのは今の流れであるし、東京ガールズコレクションでの物販の成功を見れば、「見せた瞬間にモノを売る」という仕組みはカナリの販売効果が望めることも確かです。

　ただ、見ている側に「その仕掛け」が透けて見えた時、本編そのものに対する信頼も興味も失ってしまう事を早く気がつくべきでしょう。ＴＶ番組の番宣で溢れるバラエティや情報番組、タイアップの場所を回っている旅行番組。メディアミックスという手法が行き過ぎると「どうせ広告でしょ」という意識を視聴者に植え付けて、本来の伝えるべき「感動」が伝わらない恐れも出てきます。

メディアとはメッセージを伝える媒体

　メッセージを発信する側（企業やクリエーター）がいて受ける側（視聴者）がいたとき、メディアとはその媒体です。その媒体であるメディアが間に入ることでフィルターが入ることはある程度はやむを得ませんが、結果としてメッセージを発信する側の言葉や感動を誤認させたり、薄めては意味がありません。

　モノを売りたいのならそう言う番組で在ることをきちんと提示して、それを踏まえて楽しんで貰えば良いと思う。最近のあきれるほど露骨なタイアップもそうですが、どうもTVというのはマネタイズの工夫を自らの首を絞める方向にしか考えられないみたいで残念です。

 　ニュース番組内で行うTV番組（ドラマとか）の宣伝だけでなく、ゲスト芸能人の「お土産」、バラエティ番組の「お取り寄せ」色々ありますが、違和感のある入り方が続くと本編の信用に響きますよ〜。

コーヒー無料を通して、新たな客を時間帯と場所の認知で開拓するマック

　ちょうどマックのコーヒー戦略について投稿を書いていたら、良い感じにHanjiさんが投稿を載せていたので便乗してみることに。そう、今話題の無料コーヒー配布の話。結構、良いマーケティング戦略の気がしてきたのでメモがてら。

Hanjiより:

新しいお客とは、PCを持ったモバイルワーカーの人たちだ。公衆無線LANの恩恵でオフィスを持たなくても仕事を展開できるモバイルワーカーが見えない所で急激に増えている。

新...［続きを読む］

コーヒー無料キャンペーン再び

　これで３回目の復活ですが、例のコーヒー無料キャンペーンが再び始まりました。

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■「プレミアムローストコーヒー」1杯無料提供キャンペーン概要

 対象商品：
 「プレミアムローストコーヒー」（S）
    または「プレミアムローストアイスコーヒー」（S）

 実施対象者：
  下記期間中の実施時間帯にご来店いただいた全てのお客様

 実施期間・時間
（1）2009年10月2日（金）〜10月8日（木）
　　　→午後3時〜4時
（2）2009年10月9日（金）〜10月15日（木）
　　　→午後10時〜11時
（3）2009年10月16日（金）〜10月22日（木）　
　　　→午前8時〜9時

実施エリア ：
　全国のマクドナルド店舗（一部店舗を除く）

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　初回、2回目と違って全国一斉に限定数無し（実際は制限していなかった様ですが）で時間帯制限のみという、大キャンペーン。モスバーガーも100円コーヒー＆カフェラテで対抗していますし、ファストフードのコーヒー戦争は暫く続きそうです。

史上最強？！のプロモーション

　とはいえ、無料で配るというの結構大変で企業としての負担も大きそうですが、今回は企画はかなり緻密な計算の上に成り立っている様です。

　コーヒーの原価はおおよそ1割程度だと言われていますので、本来コーヒーが売れる時間帯でなければ（というより、そもそも来店人数が少ない時間帯なら）機会損失を最小限に、低価格で集客がはかれるというメリットがあります。

　特に、こういうキャンペーンは記事になりやすいのでパブリシティ（報道や記事、口コミ）を通じてとしてかなり消費者へリーチ出来ているでしょうから、広報戦略としてもカナリ費用対効果が大きそうです。

「ついで買い」だけを狙ってるわけではない？！

　また、店頭に行ってみたら判るのですが、一部店舗では店外に特設のブースを置いて、なんとコーヒーだけ無料で道行く人に配っています。もちろん、コーヒーを目的にしつつ一緒に何か食べたいという人は店内に入っていきますが、結構コーヒーだけ貰う人もいるようです。

　店頭で配るとなると、もはや「コーヒーを配ること」と「店頭に足を運ばせること」が主な目的としか思えません（もちろん、呼び込み効果はありますが）。では、そこにマーケティングでは何を目指すのでしょうか？　

３つの時間帯で配布するわけ？

　午後3時〜4時はスナックタイムのため、もともと来店人数が少ない時間帯でコーヒー配布はコーヒー専門店が押さえているブレイク需要を取り込む狙いが在ると思います。（この時間帯に1度でもいいので「マックへ足を運ぶ」という経験をさせるための戦略）

　同様に午後10時〜11時も夜食タイムでディナーにマックという発想はまだまだ少ないですから、コーヒー配布で深夜も近くにあるマックが開いているという意識を植え込みたい所でしょう。

 　そして、大本命の朝8時〜9時。コーヒー需要がカナリ旺盛とされる朝の時間帯に敢えてコーヒーを無料で配るというのは一見ムダのように感じますが、そもそも朝マックで食事をしないがコーヒーは購入しているという層をこのキャンペーンで取り込めれば次に繋がります。

人々は経験を通じて記憶する

　要は、各時間帯に各店舗の周辺に存在する人にマックの存在を足を運んでもらう事で経験を通じて知って貰う事が大切なんですね。一度記憶に残れば、その後の人生で同時間帯に腹が減った時には確実にマックが選択肢に入ります。（笑）

　もちろん、マックのコーヒーについても実際に飲む経験をしてもらうことで、このクオリティーならば無料でなくても120円なら飲んで良いと思わせれば大成功です。

　ただ知っているだけでは、人は動きません。実際にその場所に行き、飲むことで初めて記憶に強く残るわけです。この内部情報を元にした消費者行動まできっちりと補足するキャンペーンこそが「ウリ」に繋がる広告戦略といえるでしょう。

　消費者へのリーチだけを目的としたこれまでの「広告屋」の発想をこえた、次世代のマーケティングのヒントになるかも知れませんね。